2020年6月12日

2020年6月12日 令和2年度税制改正解説 第4回 『新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置④』

こんにちは。税理士の山下晃生でございます。

本日もコロナウイルスに関する緊急経済対策に関しての税制上の措置を解説いたします。このブロックに関しては本日で終了となります。


ブロック最終回は以下の2つです。

①消費税率引上げの緩和措置である自動車税等の軽減措置延長

②チケット払戻請求権の放棄に係る寄付金控除


①からいきましょう。

実はこの自動車税等の軽減措置は、平成31年度税制改正での内容です。

自動車税等について昨年税制改正があり、現行制度では自動車税環境性能割及び軽自動車税環境性能割というように税目名が変わっております。

また、消費税率が昨年10月1日に10%へと引き上げられた関係で、一定の要件を満たした場合、自動車税環境性能割及び軽自動車税環境性能割の税率が1%軽減されております。


その要件の1つに、令和1年10月1日から令和2年9月30日までに新車及び中古車を取得するというものがありましたが、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を受け、特例措置として適用期限を6か月延長し、令和3年3月31日までに取得した新車及び中古車につき、当該軽減措置が適用されることとなりました。


実際山下も今年に入り車両を入れ替えましたが、確か5月に納付した自動車税が以前よりも4,000円程度軽減されておりました。しかもこの軽減は恒久的(ずっと続く)なのです。


最近担当させていただいているお客様が車両の購入を考えているのですが、ディーラーからしばらく時間がかかると言われているようです。新型コロナウイルスの影響で、部品などが入ってこないため生産に遅れが生じているのでしょうね。このような背景が今回の特例措置にはあるのだと思います。前回紹介いたしました住宅などと理由は同じようなものですね。


②です。

この制度は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、スポーツ・コンサートなどをはじめとする様々な催しの自粛要請がされたことに対する特例措置です。


例えば既に申し込みをされていたイベントなどのチケット・入場料等につき、新型コロナウイルス感染症拡大防止のためそれらイベントが中止になり、チケット等支払額につき払戻を受けた方も多いのではないでしょうか。

払戻を受けたならそれで終わりですが、払戻を受けておらず、払戻請求権を放棄した場合には、その放棄した金額につき、所得税及び住民税の寄付金控除の対象となることが決まりました。


プロ野球やJリーグの前売りチケットなども該当するものと思われますが、例えば10,000円のチケットを購入していたが試合が中止になり、払戻を受けずに請求権を放棄した場合には、最大4,000円の減税が受けられるようになります。具体的には請求権を放棄した方の所得や自治体によっても異なりますので税理士や自治体に確認してみてください。


流れとしては、イベント等の主催者が文化庁・スポーツ庁に申請し、文化庁・スポーツ庁が対象インベントを指定するそうです。チケット等の購入者はイベント主催者に対し、払戻を受けないことにつき連絡をします。その後、主催者は対象イベントである旨の認定書と、払戻を受けないことを証明する証明書を発行します。

これら2点の証明書を確定申告の際添付することで、寄付金控除が受けられるという仕組みです。


例えば好きなサッカーチームの試合チケットを買っていたものの、試合が中止となった。しかし、すきなチームも新型コロナウイルスの影響を受け、チームの存続が危ぶまれている。そこで、チケット代を返してもらう代わりにその代金を何かチームの役に立ててもらい、寄付した一部を所得税・住民税から控除してもらう、といった流れでしょうか。


面白い制度ですね。

対象となるイベント等は、令和2年2月1日から令和3年1月31日までに日本国内で開催する予定であったもの、かつ、実際に中止等がされたものとなります(オリンピックの開会式などもそうなのでしょうか…?たくさんの方が申し込みしていましたよね。)。


また、新型コロナウイルス感染症対策による寄付金控除の対象額は20万円が上限となっております。応援しているチーム、アーティストなどがあり、興味のある方はぜひ試してみてくださいね。


次回からはいよいよ各税目の中身の改正の解説をしていこうと考えております。