2020年6月7日

2020年6月7日 令和2年度税制改正解説 第3回 『新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置③』

おはようございます。山下でございます。

また新型コロナウイルスの感染者が増えてきておりますね。

本日も前回の続きの解説を行います。


本日ご紹介する内容は以下の2つです。


①消費税課税事業者選択届出書等提出期限の特例措置

②住宅ローン控除の新型コロナウイルス感染症対応特例


まずは①からいきましょう。

消費税課税事業者選択届出書と課税事業者選択不適用届出書についての特例措置です。

事業者は、簡単にいうと、例えば2年前の1年間(基準期間といいます。)課税売上高が1,000万円以下である場合は原則として、消費税の納税義務が免除されます。

しかし、消費税等を納める課税事業者を自ら選択することができ、その場合に上記の課税事業者選択届出書を提出することになります。納税義務がないのに好き好んで消費税等をわざわざ納税する人がいるの?とよく質問されることがありますが、設備投資をする際など課税事業者を選択することで設備投資等に係る消費税等が還付されることがあるのです。

この課税事業者選択届出書は新しい課税期間の開始の前日までに税務署に提出しなければなりません。ところが、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年2月1日から令和3年1月31日までの1年間については、この期間内の1か月以上の売上高が前年同期比のおおむね50%以上減少した場合、特例により新しい課税期間の開始後であっても課税事業者を選択することができるようになっております。

つまり、課税事業者の選択の適用を受けようとする課税期間の、直前の課税期間の末日に税務署に届出書の提出をしたものとみなすということです。

これは、逆の場合も同じで課税事業者の選択の適用をやめたいときは課税事業者選択不適用届出書というものを提出するのですが、この届出書についても考え方は同じです。


ちなみに、この課税事業者選択届出書を提出した場合、通常であれば課税事業者を2年間は続けなければなりません。また、調整対象固定資産を取得した場合の3年間の継続適用要件というものもあります。ものすごく簡単に言うと、消費税等の還付を受けたのだから、すぐには免税事業者に戻してあげないよ、ということです。

この継続適用要件が今回の新型コロナウイルスの影響による上記要件を満たしたときは、なんと不適用となります。

つまり、原則であれば課税事業者になりたいと考える課税期間の直前の課税期間までに届出書を提出し、なおかつ2年間は課税事業者を続けなければならないのが、特例によれば課税事業者になりたいと思ったその課税期間に課税事業者になることができ、なおかつ翌年には免税事業者に戻ることができる!という非常に使いやすい制度となっております。


ただし、税務署長の個別の承認を得なければなりませんので、まずはとにかく税理士や税務署に相談することですね。当法人への相談も是非お待ちしております。


続きまして②です。

昨年消費税率が10%に引き上げられましたね。その引き上げに伴い、いわゆる住宅ローン控除の拡充措置の特例ができました。この拡充措置は令和2年12月31日までに適用を受けようとする住宅に居住開始することが要件となっておりました。

しかし、今回の新型コロナウイルスの影響により、建築資材の調達の遅れや工期の遅れが生じております。そこで、今年の12月31日までに入居できないケースが出てくることが考えられます。

これに対応するために、12月31日までに入居ができなくなった場合であっても、

(イ)新築の場合は令和2年9月末まで

(ロ)建売住宅・中古住宅・リフォーム等の場合は令和2年11月末まで

に工事請負契約や売買契約を結び、

(ハ)令和3年12月末までに(イ)又は(ロ)に入居した場合には、

住宅ローン控除の拡充措置が受けられるようになりました。

要するに入居開始の要件を1年間延長したわけですね。


ちなみに住宅ローン控除の拡充措置とは、従来10年間であった住宅ローン控除を消費税率引き上げに伴う支出の負担に対応するため、控除期間を3年延長するという措置です。建物購入価格の8%から10%へ増税された消費税率2%を延長の3年間で割った額を、11年目から13年目に所得税(一定の場合には住民税からも)税額控除するというものです。


現在住宅の取得を考えられている方、または契約はしたものの12月までに入居ができなくなる可能性が高い方はこの特例を覚えておいてください。


本日はこのあたりで。