2020年5月27日

2020年5月27日 令和2年度税制改正解説 第1回 『新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置』

こんばんは。税理士の山下でございます。

本日から数回にわたり、令和2年度税制改正について解説をして参ります。

最初の単元は、令和2年4月に公表されました、『新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置』について見ていきたいと考えます。

内容としては主に、以下の項目が挙げられます。

①国税・地方税の納税猶予の特例

②中小企業経営強化税制の拡充

③認定先端設備等導入計画に関する固定資産税の優遇措置の拡充・延長

④固定資産税・償却資産税の減免制度の創設

⑤法人の欠損金の繰戻し還付制度の拡充

⑥消費税課税事業者選択届出書等の提出期限の特例措置

⑦新型コロナウイルス感染症特別融資の契約書印紙税特例

⑧住宅ローン控除の新型コロナウイルス感染症対応特例

⑨耐震改修した住宅の不動産取得税の特例措置の適用要件弾力化

⑩消費税率引き上げの緩和措置である自動車税等の軽減措置の延長

⑪チケット払い戻し請求権の放棄による寄付金控除

色々とありますが、本日は上記①「国税・地方税の納税猶予の特例」について解説いたしますね。


実はこの週刊山下でも4月に資料として掲載はしておりますが、詳しい解説を致します。

この制度は簡単に言うと、新型コロナウイルスの感染防止のため、これまで営業自粛等の様々な措置を事業者の方々がしてきているのですが、こうした理由により収入が激減している状況を踏まえ、国税及び地方税について、無担保かつ延滞税等を免除し、1年間納税を猶予するという特例です。免除ではなく猶予ですので、もちろん後日納付はしなければなりません。”納めなくていいよ ”ではございませんので注意が必要です。


対象税目ですが、所得税・法人税・消費税などの国税はもちろん、個人住民税や固定資産税などの地方税もその対象となっております。印紙税などは納税猶予の対象ではありません。社会保険料については猶予の対象となっております。

令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来するものが猶予の対象となります。


どのような会社や個人事業者でもこの制度が利用できるわけではありません。持続化給付金などと同じように、収入の要件があります。令和2年2月から対象税目の納期限までの1か月以上の期間において、収入が前年同期比で20%以上減少している場合に猶予制度を利用できます。


ただし、財産の損失が生じていないような場合でも、一時的に納税ができないと認められる場合には、例えば向こう1か月から半年間程度の事業資金を考慮して納税の猶予を認める制度もあります。原則として財産状況等を示す書類の提出が必要ですが、口頭での説明でも認められるケースもあるようです。明確な基準は示されておりませんので、資金繰りに困窮し、一時の納付が困難な場合はすぐに当法人や税務署窓口に相談してください。


また、既に納期限が過ぎている未納の国税・地方税についても、通常延滞税がかかる他の猶予を受けている場合であっても、当該新型コロナウイルス感染症に係る特例に切り替えることで、初めから延滞税等がないものとして猶予を受けることもできるようです。


ただ、繰り返すようですが、あくまで本税部分に関しては”猶予”です。免除されるのは延滞税等のみですので注意が必要です。猶予ということですので、例えば1年後に資金繰りが改善していないような場合は、1年後の納税義務と今回猶予した納税義務とが二重になって襲い掛かってくることも考えられますので、新型コロナウイルス感染症特別貸付制度などと並行した対策が必要となるでしょうね。


また、この制度は申請手続きも必要となります。勝手に自社で判断し、制度の適用が受けられるわけではありませんので、とにかく早めに税理士や税務署窓口に相談する必要があります。


本日はこのあたりで。