2020年5月9日

2020年5月9日 特例事業承継税制についてのお知らせ

こんにちは!税理士の山下晃生でございます。

前回の更新時にお伝えしました通り、本日は新型コロナウイルス関連の情報提供ではなく、いわゆる『特例事業承継税制』についてご紹介いたします。


『特例事業承継税制』…皆様、ご存知でしょうか?当法人では2018年の9月に山下がセミナーを開催いたしました。

そもそも、事業承継税制というものは 昔からあったのですが、平成20年に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」が制定されたことに伴い、平成21年度の税制改正の一環として新しい事業承継税制が導入されました(この時点で山下は大学2年生です。ですので21年度改正の事業承継税制の内容はよく知りません…)。

中小企業のオーナー経営者にとって、子や孫などへの事業の円滑な承継は大きな関心事なのでしょうが、実際問題として、事業の円滑な承継には様々な支障があり、なかなか事業承継がすすまないでおり、さらに経営者の高齢化がすすんでしまっているという背景がありました。


こうした背景をうけ、平成30年度税制改正でこの事業承継税制に大幅な改正を加えたものが、いわゆる『特例事業承継税制』です。もちろん、そもそもの事業承継税制も若干の改定がなされ、今でも存在しております。しかし、平成30年度税制改正で定められた様々な要件を満たすことで、特例的に納税者にとって有利な事業承継を認めることとされたため、『特例事業承継税制』とあえて呼称を変えているのではないかと山下は考えております。


この『特例事業承継税制』ですが、いったい何が納税者にとって有利となったのでしょうか?

敢えて簡単に述べます。最大の特徴は、一定の要件を満たす中小企業の非上場株式(上場している会社の株式は対象外です。)を、”うまくいけば”『贈与税又は相続税』を、『無税で』会社を引き継いでいく後継者(例えば子や孫ではない従業員などの第三者であっても。この点、かなり重要です。)へ移すことができる点であるということができます。


詳しく勉強をしてみたいという方は、山下がまとめました『特例事業承継税制一連の流れ【第二版】~平成30年税制改正を中心とした留意点~』をご覧ください。非常に長い資料ですが、制度の説明から、実際の手続きの流れ、株式の贈与等の際に気を付けなければならない点などについて、かなり細かくまとめております。


さて、毎年変わり続ける税制で、しかも令和2年度の税制改正もまとまった今頃になって、なぜ敢えて2年も前の税制改正である特例事業承継税制について触れたのでしょうか?

先ほどこの特例制度については一定の要件を満たすことが必要だと書きましたが、実はこの制度、『特例承継計画』というものを『認定経営革新等支援機関(例えば税理士法人IMC)』の助言指導の下で作成し、都道府県の担当部局へ提出しなければならないのです。この『特例承継計画』の提出をすることで、特例事業承継税制の適用権利を入手することができるということですね。


この『特例承継計画』には提出期限があり、平成30年(2018年)4月1日から令和5年(2023年)3月31日までに必ず提出しなければなりません。そして、そろそろこの制度の提出までの期間も早いもので、折り返し地点に差し掛かろうとしています。従いまして、期限までに比較的余裕もあり、制度利用についての考慮もじっくりとでき、計画策定の準備も落ち着いて取り掛かれるこの時期に皆様にご紹介させて頂いております。ちなみに、上記5年間の期間内であれば、例えば会社株式を贈与した後に『特例承継計画』を提出しても構いませんし、万が一先代経営者が『特例承継計画』の提出前に亡くなってしまった場合であっても、一定の手続きをすることで特例事業承継税制の適用は受けることができます。


このような事業承継にとって非常に効果的な制度を、知らなかったという方はまずは知ってください。知ってはいたが、適用について深く考えていなかった、そもそもこういう話を忘れていた、などという方がいらっしゃいましたら、これを機にもう一度検討してみてはいかがでしょうか。


非常に複雑な税制です。間違いがあっては特例事業承継税制の適用が取り消されるリスクも高い制度です。また、対象会社に関係していない先代経営者の親族の相続等についても影響を及ぼしかねない面もあります。様々なリスクを取り除きながら制度を適用していかなければなりませんので、「とりあえずやってみよう」などと簡単な気持ちではじめられる制度ではないのです。円滑な事業承継のためにはそれなりに時間はかかります。

しかも、そもそも『認定経営革新等支援機関』の助言指導の下で作成された『特例承継計画』の提出が必要となりますので、自社で計画を策定し提出しても何も始まりません。ご興味を持たれた方、詳しく内容を知りたい方などは、是非お気軽に税理士法人IMCまでお問い合わせいただけますと幸いです。